日韓共催
ワールドカップ2002

<<あるボランティアの声・・>>

“あるボランティア”のプロフィール:

横浜にある“パシフィコ横浜”に設置されれた
「IMC」(インターナショナル・メディア・センター)
でボランティア業務を行っている。
仕事内容は、報道関係者(プレス)に試合や選手の情報を与えたり、
取材用のチケットの申請書類を受理したりする。



6月30日(日曜日) クロージング・セレモニー!興奮するボランティア!

今日は決勝戦の日である。僕にとっては、試合前に行われる「クロージング・セレモニー」の本番の日である。

本番は午後6時25分。しかし、集合は横浜アリーナに午前9時。横浜アリーナに集合するボランティア

横浜アリーナに集合してから、団体で会場へ向かう。数百人のボランティアが同じユニフォームを着て、行進する。通りがかる一般の人は、何事か?という目で見る。

会場に着くと、関係者専用の入り口から入る。まだ一般の観客の入場は行っていない。警備は厳しい。それはもちろん、小泉純一郎、金大中、シュレーダー、天皇陛下が来るからだ。私服や制服の警官が巡回し、全国各地から応援に来た各都道府県警の警察車両が駐車している。爆発処理用の車両も見受けられた。それほど、警備は厳重である。

しかし、まだ11時。本番は6時過。リハーサルを行う。全ての参加者が行うリハーサルである。みんな衣装を着て、本番と同じ。ちなみに、Voice of Korea/Japanも参加していた。Chemistryが僕の後ろの方で歌っている。口パクだった。。

全体のリハーサルは一回だけ。あとは、事前のミーティングを行う。時間が経つにつれて、スタジアム内の警備が厳しくなる。会場内には、セレモニーの関係者だけで静かである。数時間後に世界中が熱狂する場所とは全く思えないくらいだ。(写真左下) お昼になったので、写真を撮る。静かだよぉー。

お昼はスタジアムの2階で食べる。警察から、この時間帯はここで待機するように言われたからだ。二階席からVIP席を見渡すと、何やら黒いスーツを来た人たちが集まっている。きっと警護のSPであろう。この場に似つかわしくない雰囲気を漂わしている。。(写真右)

VIPを守れ!お昼を食べ終わると、観客役で他の参加者を手伝う。ビッグフラッグと呼ばれる決勝戦に進出した国の国旗をグランドから観客に移動させる演出である。

このビッグフラッグは、名前の通りデカイ。。一枚がグラウンドの半分のサイズである。僕の役目は、ただ観客席に座っているだけ。巨大な国旗が頭の上を通過するので、後ろの席に送るだけである。

で、そんな練習も直ぐに終わる。それで一先ず終了。また休憩。1時間半の休憩である。警察の警備上、二階席より下には降りてはならないとの通達もまた出る。で、暇なので寝てしまう。(写真左下)

何待ち??時間は午後4時。移動が始まる。次の待機場所は、スタジアムの外苑の車両用のスペースである。地下駐車場への入り口で待つように言われる。ボランティアは、総勢700人以上の大所帯である。休憩所に着くなり、一斉にタバコを吸い始める人が続出し、辺り一帯は煙で充満する。スプリンクラーが作動しないかとさえ思うほどだ。

僕はタバコを吸わないので、空気の良いところに移動する。すると、一般客が通る通路に柵で面する場所があり、そこにボランティアが集まって、お客さんに声を掛けている光景に遭遇。僕も参加する。

通りがかる外国人のお客さんにみんなで一斉に声をかける。柵越しなので、あたかも僕たちボランティアは動物園の動物のように見える。通りがかるお客さんは物珍しそうに僕たちを見ながら写真を撮ったりする。中には報道カメラマンが撮影をしていた。叫ぶ!

こっち向いてぇー。午後5時半になり、スタジアムと関係者用の入り口を繋げる通路に集まる。1時間後には本番である。この通路には、参加するボランティア以外にも、着物を着て出演するコンパニオンのお姉さんたちも待っている。決して広くない通路に数百人の出演者が待機する。客席の声が聞こえてくる。

6時になり、ボランティアの中から数人が会場に出て出演場所の確認作業を行うことになった。それに僕も参加する。

ドキドキしながスタジアムのピッチ内に出る。まだ観客席は完全には埋まっていないが、お客さんは既に盛り上がってる。あと30分後には世界中に放送されるグラウンドである。一般人は立ち入れないピッチに入れるだけで、得した気分になった。

午後6時25分、会場内に試合前セレモニー(クロージング・セレモニー)開始のアナウンスが始まる。スタジアム中に歓声が溢れる。そして、リハーサルと同様に大型モニターに今大会の試合の映像が次々と流れる。日本と韓国の国歌が斉唱され、セレモニー用の音楽が始まる。もうすぐ出番である。僕たちの興奮も最高潮だ。

そして、BGMが前奏からメロディーへ変わったところで、スタッフの合図とともに会場へ走り出す。僕はボランティアの先頭に立っていたので、一番初めにピッチへと走り出した。観客に向かって手を振りながら。

リハーサルどおり、二階席から一階席、そして僕が立っているピッチへと担当のアルゼンチンの国旗が送られてくる。合計で32カ国の国旗がピッチ内へ集まり、音楽に合わせて一斉に行進する。

国旗はアルファベット順に並んでいる。僕の担当のアルゼンチンは先頭である。僕の目の前をステディーカメラと呼ばれるカメラが通り過ぎる。会場はさらに盛り上がりを見せる。

VIP席の目の前に到着し、停止する。セレモニーはそのまま続く。僕のすぐ隣をVoice of Korea/Japanと呼ばれる日韓の歌手が通り過ぎる。日本人の歌手はChemistryなどである。僕の後ろで彼らが歌い始める。前方には小泉純一郎などの姿も見える。

歌とともに32カ国の国旗でウェーブを作ったりして、演出を行う。滅多に経験できない舞台である。他のボランティアも皆楽しそうに旗を振る。

歌が終わり、僕たちは巨大な国旗を持ちながら、出てきた通路へ走りながら戻る。観客に向かって手を振りながら、僕たちは出口へと向かう。

これで僕たちの出番は終了。午前9時に会場入りして、本番は30分である。あっと言う間に終わってしまった。。

僕たちボランティアは、朝来た道をまた戻り、横浜アリーナに再び集合する。試合は、まだ始まっていない。

僕はそのまま自宅に帰ることにする。これで僕のワールドカップの仕事は終わりである。楽しかった。。

顔出し

帰宅する。寝る前に録画しておいたNHKで放送されたセレモニーの映像を見る。大きくは写っていないが、自分の姿を確認することが出来た。知り合いに自慢しようと思う。。



6月28日(金曜日) IMCでの最後の業務。でも、最も充実感のある仕事だった。。

今日で、一ヶ月間続いたボランティア業務が終了した。

あさっての30日には決勝戦が行われる。普段は、資料を配布したり、コピーしたりして棚に置く程度の業務だったが、今日は決勝戦用のチケットをプレスに与える業務を行った。

これまでで最も充実感のある業務だった。普段はオフィス内での活動だが、今日はプレスが活動をしているフロアーにレセプションを設置し、そこでチケットの配布を行った。外国人プレスと会話ができたので、楽しかった。

IMCには様々な国から来たプレスが集まっている。チケットを取りに来て、そこで交わす短い会話や態度などにお国柄や国民性が見受けられた。

ある人はどーでもよいことを長々と話し、最後にちょこっと本題を言うし、またある人は“自分の会社の振り分けられるチケットが少ない!”と言ってゴネる。誰も理解出来ないのに、ポルトガル語で話続ける人などなど。

みんな色んな国から来るので、なかなか多様性に富んでいて面白い。

ただ、一つだけ不満があった。それは、大会組織員会の人のボランティアに対する接し方だ。今日は、チケットを取り扱うため、普段とは違う組織委員会の人と仕事をすることになった。彼らは殆どが英語が出来ない。だから、僕たちボランティアに通訳を頼む。でも、ある人は“(プレスが)何て言っているのか、早く訳せ!”などと言う。とても腹が立った。もっと他に頼み方があるじゃないか、と思う。ボランティアなので、雇ってもらっている訳ではない。もちろん、語学などの技能をボランティアに役立てるために僕は仕事をしてきたが、まるで翻訳機のように扱われることに、良い気持ちはしない。

そんなこともあったけど、結局の所、仕事は楽しかった。でも、今日で終わり。

さようならIMC。

IMC内 Pigeon Hall(ピジョン・ホール) オフィス内のコピー機

残るは30日のクロージング・セレモニーである。



6月23日(日曜日) ワールドッカプは、3人で支える!

今日は、試合がない。決勝トーナメントが始まり、残るは4チームである。

日本が負けてしまい、世の中ではワールドカップ・ブームは過ぎ去ってしまった。。だからなのかは分からないが、今日は僕が活動する業務に参加した人の数が少なかった。いつも10人近くのグループで活動するのに、今日はたった3人・・。今日の活動をキャンセルした人が多かったようだ。

所詮、ボランティアは継続性が低い。ちょうど大学でボランティア関係の講義を受けており、無償活動と有償活動の違いを勉強したところだったので、実感するものがある。

今日一緒に活動した人の一人は、本日でボランティア活動が終わりだそうだ。お疲れ様。

休憩中にIMC内の写真を撮る。セキュリティー上あまり好ましくないことらしいが、記念なので撮る。テロリストがここを攻撃しても何の意味もないだろう。なぜなら、結局IMCオープン以来、利用者数は全く変わらない。数百ある記者用のシートは、30くらいしか使われていないのだ。もの寂しいばかりである。。

  
(オフィス内にある試合結果表、IMC内にある日本庭園、記者会見用の会場)

試合もなく、業務自体も終盤にかかっているので、今日は8時半に活動が終了する。



6月18日(火曜日) 負けちゃいましたねぇ。でも、まだ僕たちの仕事は終わってないですよ。。

今日は、日本対ターキー戦の日。大学は、何故か午後の授業は全て休講。これは決して、サッカーの試合があるからではない。理由は、法学部の学会講演会があるので、それが行われる時間帯の講義は全て休みになったからだ。先週からの予定である。ということで、大学の授業は午前中にフランス語の授業を一つ受けただけで終了。

実は、僕は火曜日に国立競技場近くの語学学校に通っている。だから、今日は千駄ヶ谷に行かなくてはならない。その授業は午後6時45分からなので、あと6時間以上も時間を潰さなくてもならない。

親戚が新宿の南口にマンションを最近買った。超高層マンションである。大学から十数分で行ける場所である。だから、そこで時間を潰させてもらう。新宿から徒歩数分である。サザエさんに出てくる ノリスケさん のように、“ゴメンくださーい”と言って、上がり込む。

その親戚の家で試合を観戦。結局日本の負けに終わる。途中、うたた寝をしてしまった。だから、真面目に試合は観ていなかった・・。でも、初めから負けそうな雰囲気だったので、仕方のないことだ(?)。ちょうどいい感じにブレました。

語学学校の授業の時間が近づいたので、千駄ヶ谷に行く。すると、試合を国立競技場の巨大スクリーンで観終わった人たちが続々と駅になだれ込んできた。みんな真っ青なシャツを着ている。

“試合に出られただけで十分じゃん”と思う。欲をかいてはいけない。。警備のおじさん

“雨の中、みなさんご苦労さん”。大学の友達もこの国立競技場での「パブリック・ビュー」に参加すると言っていたことを思い出す。みんなずぶ濡れで、カゼを引かないようにと思う。

大概の日本人には今日でワールドカップは終わりらしいが、僕にとってはまだ終わりではない。通常の業務と閉会式が残っている。


6月16日(日曜日) 閉会式リハーサル!!・・でも、内容は絶対秘密。。

ワールドカップ関連が続く今日この頃、本日は「閉会式」のリハーサルに参加した。

正式には「クロージングセレモニー」と呼ばれている。30日の決勝戦の日、試合前に催されるイベントである。ボランティア宛に参加募集の知らせがあり、僕も申し込んでみる。すると、見事に採用された。

今日は、横浜スタジアムで二度あるリハーサルの内の一回目である。集合は11時。1時間も遅刻した。寝坊したことと道に迷ったことが原因。一応「関係者」だけれど、スタジアムに来るのは初めてである。仕方ないので、交番で道を聞く。メインアプローチからの進入!
今日は横浜スタジアムは試合がない。だから、静かである。警備も手薄(?)である。「メインアプローチ」と呼ばれる入り口から会場に進入する。

その入り口には、事務局の方がテントを張って待機している。そこで受付を済ませる。すると、通りかかった近所の人に“今日は何かあるんですか??”と質問される。しかも人がどんどん増えてくる・・。事務局の方は、“今日は一般の方には公開していない業務です”などと説明する。

会場手前のゲートに到着。誰もいない。メインアプローチでセキュリティーチェックを受けたので、内部では警備をしている警官と警備員を見かけるだけで、ゲートでの警備はしていない。誰もいないゲート

スタジアム内に入る。既に説明が始まっていた。途中から参加する。そして、「クロージングセレモニー」の内容と自分の役割を知らされた。

組織委員会の人間に今日の内容を言うなと念を押されているので、具体的にはここでは言えない。でも言いたい。。だから、少しだけ言う。

僕はフィールド内で活動する。配置はVIP席に近い。式の最初から最後までその位置で立っている。だから、TVに映るかもしれない。国際映像なら、世界中に発信されるかも、と思う。しかし、あるボランティアの人は、“テレビ雑誌を見ると、閉会式が放送される予定は今のところないみたい”とのこと・・。残念・・。ビデオに録画して保存しようと思ったけど、放送されないのなら、仕方がない・・。

“放送されないのら、誰のための式典なんだぁ!”と叫びたい。

リハーサルが終わったのは午後6時。実は、今日は普段のIMCでのボランティア業務がある日だ。前もって遅れることを電話しておいた。もう一度掛けなおすと、“もう遅いですし、これから来られても仕事が少ないですから、お帰りになっても構わないですよ”と言われる。確かに今日のリハーサルは結構疲れた。だから、“そうですか。いんですか?”と言って、今日は帰宅する。


6月14日(金曜日) ロシア対ベルギー戦観戦!!

何故か我が家にやってきたワールドカップのチケット3枚。ちゃんと観に行ってあげないと、もったいないので、家族3人で行く。

試合は午後3時半から。11時過ぎの東京駅発の新幹線に乗る。実は、今回僕が新幹線に乗るのは2回目くらいだ。幼いときに1度乗ったような記憶がるだけだ。国内の移動は車の場合が多く、国内旅行もあまりしたことがないので、大学生になって乗った「こだま」に少しワクワクしてしまった。

新幹線は106分で掛川駅に到着。電車は快適だった。自由席だったが、中国で乗った鉄道の「軟座(ファーストクラスのこと)」と比べると、その快適さは比較にならない。だから、新幹線は「Shinkansen」の固有名詞で通じるハズである。

写真日記!掛川駅からはシャトルバスが運行されている。駅から20分くらいで、スタジアム近くの停留場に到着。そこから、さらに15分ほど歩かされた。すると、山奥にスタジアムが見えてくる。“こんな静岡の山奥にこんなものを作って・・”と思う。サッカーが終わったら、どうなるのだろうか。長野オリンピックのことも考えると、今後この小さな地区に今日ほどの人間があつまることはないだろう。既存のスタジアムを利用すればいいのに、FIFAの基準に合うために、たった数回の試合のためにこんなものを作ったのだろう。

そんなことを思いながら、僕たちは徐々にスタジアムのゲートに近づく。遠くから見ると、人々がスタジアムに向かって歩いているのが良く見える。試合開始まで1時間以上あるが、既に開場されているようだ。

スタジアムまでの通りには、警官やボランティアの地域の人々が立っている。ボランティアの人たちは口々に“こんにちは。ようこそ!”と言う。みんな笑顔だ。“楽しんできてください!”。そんな言葉を我々観客の全員に掛ける。地元の熱意が伝わってくる。

スタジアム内には直ぐに入れた。特に列に並ぶようなこともなく、セキュリティーチェックを通過する。チケットの購入者の身元チェックを行うこともない。これまで言われていたような厳格なチェックを行われていない。結局、そんなものだ。

自分たちの席に着く。その席から場内を見渡す。サッカーのフィールドは意外と小さい。野球の場合、選手は豆粒程度にしか見えないが、サッカーの場合はそんなことはない。目の前にいるような感覚だ。選手の動きもテレビで観ていると違って、遅く感じる。男たちが目の前でボールを追いかけているだけ、というカンジだ。特にエキサイティングでもない。。

僕たちが座っている席は、ロシア人サポーターが多かった。元々ロシア語は普通に喋っても怒っているように聞こえる。だから、大きな声で叫ばれるロシア語は迫力満点である。でも、何を言っているからは分からない。

結局、試合はベルギーの優勢が続き、3対2でロシアの負け。試合前には張り切っていたロシア人は、もはやその面影もなく、肩を下ろして、静かにしている。

試合終了後、新幹線で東京へ帰る。8時過ぎに東京に到着。高校時代の友達と池袋で食事をすることになっているので、そのまま東京駅から池袋へ中央線で移動。パーティー(飲み会)に参加する(詳しくは、「ちょっとした出来事・ある大学生の出来事」をどうぞ)


6月13日(木曜日) 再びチケット入手!!・・世の中理不尽ですねぇー。Part2

チケットがまた手に入った。昨日手に入ったもののと同じ試合のチケットで、座席も連続している。昨日は一枚だったが、今日は二枚。だから、合計3枚のチケットを手に入れた3枚のチケット

手に入れたのは、母親である。よっぽどラッキーな人なのだろう。

大学から帰り、自宅の最寄り駅に着き、自転車置き場に着いた時にケータイが鳴った。彼女からの電話である。“チケットが当たったから、新宿に取りに行って”。大学は山手線沿線にある。ちょうど新宿経由で帰ってきたところだった。仕方なく、40分の道のりを戻る。

彼女の会社で余った顧客用のチケットである。新宿にある支店にチケットがあるので、高層ビルの最上階(37階)のオフィスに行く。

名前を名乗り、チケットをもらう。担当の人は“お母さんはスゴイですねぇ。二回も当たって。”と言う。

帰りの際、エレベータに乗る。すると、一緒に乗り合わせた会社員のお兄ちゃんたちが話している。“結局、明日のチケット(日本戦)は手に入らなかったよぉ”。すると、また他の乗客のOLのお姉さんが話している。“あたしも試合をスタジアムで観たいわぁ”。

こんなに楽して、しかもタダで手に入れた母親はスゴイのだろう。よっぽど日ごろの行いが良いのか、或いは強力なコネがあるのか。多分後者ではないだろう。

ということで、入手したチケットの試合は明日行われる。だから、大学も休んで明日は静岡に行く。授業はイタリア語だけだから、移動中にテキストでも読んで自習することにする。


6月12日(水曜日) チケット入手!!・・世の中理不尽ですねぇー。

今日はボランティア業務はない。しかし、チケットが手に入ったので報告する。

世間ではチケットの争奪戦が繰り広げられているそうで、アホな大学生がマスコミの目の前で暴れ、逮捕される映像が流された。FIFAのチケット購入用のサイトもパンク中。2万回電話をかけて、繋がるのは2本らしい。

それでも、手に入る人は手に入るらしい。その証拠に何故か僕の自宅にチケットが舞い込んできた。。ワールドカップのチケット

このチケットは、母親が入手してきた。彼女は特にサッカーファンというわけでもない。電話を2万回かけたわけでももちろんない。それでも何故かこんなモノを手に入れてきた。

彼女は某外資系の会社に勤めている。この会社の接待用のチケットが余ったらしく、それが社員に抽選で配られたそうだ。そんなことで、チケットの購入者の欄には会社の名前が書いてある(だから、右の画像は拡大できません・・)。

ダフ屋がチケットを十数万で売っているというニュースを聞く。血眼になってチケットを探している人もいるだろう。そんなご時世の中、彼女は“タダ”でこのチケットを手に入れた世の中理不尽なものである

ちなみに、入手したチケットは1枚。だから、僕は観に行けない。試合は2日後の14日。彼女は自分の運で手に入れたので、一人で観に行くそうだ。会社を休んで。。


6月9日(日曜日) 日本の勝利。その時、メディアセンター内は・・

 日本対ロシア戦。結果は1×0で日本の勝利。日本が初めてワールドカップで勝ったとか。記念すべき試合らしい。

 IMCがある桜木町駅周辺も何処から来たかは分からないけれど、日本人サポーターが集まり、騒いでいた。ボランティア業務終了後、電車内で試合を見終わった人たちを見かける。皆まだ興奮が冷め終わらない様子。JAWOCオフィス内のTV

 “開催国だから、試合に出られたんじゃん・・”と心の中で思う。でも、そんなことを口に出したら、ボコボコにされそうなので言わない。。

 試合が行われている最中は、オフィス内でみんなとテレビで観る。外国のプレスはもう帰っている。日本戦には興味は無いようだ。午後8時30分からの試合開始で、終了は10時過ぎだからだろう。

 以前にも話した通り、IMC内には総務省が自慢する大型立体高画質ビジョンがある。このスクリーンを使うと、あたかもスタジアムにいるかのようなリアルさで試合が中継されている。技術自体は素晴らしい(ホントに)。でも、テレビで観ていた方が楽しい。だから、多額の税金がつぎ込まれているだろうと思われるスクリーンよりも、一般のテレビで観る。テレビ横にあるスポンサーのコカ・コーラの冷蔵庫よりコーラを出し、それを飲みながら試合観戦をする。ハーフタイムには、プレスに資料を渡し、一応活動はしている。それでも、JAWOCなどの日本人職員は皆テレビに釘付けになって観ていた。


6月7日(金曜日) 僕は試合は見られません・・。

今日も大学が終わってからボランティアに向かう。仕事内容は何も変わらない。そんなに忙しくない。世間の盛り上がりとIMC内のそれは全く違う。なんでそんなにサッカーに世界中の人が興奮するのかが理解できない・・。きっと、スタジアムなどのまさに「現場」は盛り上がっているのだろう。

仕事内容に変化がないので、特にここに書くことはなくなってしまった。

仕事が終わり、家族と食事の待ち合わせをした。待ち合わせ場所で少し夕食を食べる。

すると、隣の席に座っていた少し柄の悪そうな20歳くらいのおにーちゃんたちが4-5人でワールドカップの話をしていた。
スタジアムへのアクセスは出来ないIDです・・。

ある1人がこう言う。“オレ、決勝戦のチケット持ってるんだよねぇー。でも、会社の金で買ったから、オレが持ってても意味ないしぃー”。周りにいる男が言う。“へぇー、スゴイっすねぇ。自分、マジで羨ましいっす。”相手の男は更に言う。“まぁねぇー”。

男は自慢しているのである。僕自身、サッカーに興味ないから、何も羨ましくないけれど、その光景は滑稽だった。それだけワールドカップは人々を魅了しているようだ。「魅了」というより、「覚醒」させていると言っても良いかもしれない。

この時、僕はボランティアのIDカードを首から下げていた。IMCから気づかずにそのままにしていたのだ。1人の男がそれに気づく。“あのカードがあれば、スタジアムに入れそう・・”。そんな風に思っているように見える。少し恐怖を感じる。急いで、IDカードをリュックにしまう。今度からは気をつけようと思う。


6月2日(日曜日) 同時3試合!!でも・・

IMCに向かうため、桜木町に到着する。初めて日曜日に桜木町へ来た。人が沢山いる。。今日は花火大会があるらしい(左の写真)。バベルの塔と人間

IMC[International Media Centre]今日はIMCに入る前に、写真を撮ってみる。このホームページを少しは華やかにするために。2月に買った安物のデジカメで撮る。解像度はそんなに良くないけれど、メモ程度には使える代物だ。

IMCの入り口は、写真中央(右の写真)。ボランティアの控え室は、ずっと奥である。かなりの距離だ。数百メートルはある。さすが展示場である。IMC内の端から端まで移動する必要がある。だから、休憩の時間帯は、休憩したいのに、移動に体力を消耗するので、誰も控え室には戻りたくないのである。

今日は3試合が活動中に行われた。同時に行われるので、時間差で仕事が舞い込んできて、てんやわんやになることを期待していたが、思っていたほど忙しくはなかった。どの試合も、試合中は複数のテレビで同時に観ることができた。どのマスコミよりも早くベッカムの出場情報を見てから、イングランド対スウェーデン戦を観る。他にも、内部資料を見ながら試合を見る。過去の成績などなど。結構楽しい。

僕の隣では、記事を書いている組織委員会の人がいる。その人は公式情報を書いている、ちょっと偉い人だそうだ。外国人のおじいちゃんだが、テレビを観ながら、辛口のコメントを僕たちに言う。“あれなら、君にだってゴールできる”とか。その人の邪魔をしないように、静かに僕たちはテレビを見る。ボランティアが邪魔をしたらどうしようもないので。。

今日は午後10時に活動終了となる。これまでは11時が終了時間だったが、多くの人が電車の終電に間に合わないので、この時間に変わったらしい。

ということで、残り1試合が終わらないまま、僕たちはオフィスを出て、帰宅する。



5月31日(金曜日) 開幕戦!

今日は開幕戦の日。大学が終わってから、4時に横浜に到着。20時30分から韓国のソウルで開幕戦が開かれるので、今日が本当の仕事始めかもしれない。

今日は、“Release”という仕事を担当した。これは、プレス向けにFIFAの公式データを配布する仕事だ。IMCの施設内には、下駄箱のような棚があり、それぞれに各書類を入れ、プレスが自由に取る。頻繁に棚をチェックして、枚数が少なくなった書類を新たにコピーして、補充する。これが、一般的な“Release”の仕事である。

しかし、今日は開幕戦の日。ちょうど仕事中にフランス対セネガル戦が行われた。試合が行われる直前には、現地からスターティングメンバーのリストがFAXで送られてくる。それをコピーして、プレスに手渡しで配布する仕事がある。

スターティングメンバーなどの情報は、プレスにとっては最も重要な資料の一つで、早く手に入れたいと思うものだ。そんな大切なモノを自分が扱っていると思うと、責任重大だと感じる。それに加え、マスコミに出す前の情報を知ることが出来ると思うと、なぜか得した気分にもなれる。もちろん、そんな情報を知ったからと言って、お金が手に入るわけではないけれど。。

試合中は組織員会の人たちと一緒にテレビで観戦する。基本的に試合中は情報は無い。ハーフタイムに入ると、途中経過の情報がスターティングメンバーの情報と同じように現地から送られてくるので、それを同じように印刷し、配布する。試合が休憩に入るごとに仕事が始まるという感じだ。

今日は一試合しか行われなかったので、ゆっくりと試合を観戦できた。次回は、活動時間中に3つの試合が同時に行われるので、そんなことは出来ないかもしれない。。


5月24日(金曜日) ワールドカップ=球技大会!!

今日からIMCが正式にオープン。そして僕の仕事も今日からだ。ボランティアの業務には「早番」と「遅番」の二つがある。早番は午前9時から午後5時まで。遅番は午後4時から午後11時までだ。大学の授業が2時半におわり、十分に間に合うと思っていただが、かなり時間が掛かった・・。大学は都内にあるし、電車も一本で行ける。だから、間に合いそうな気がした。しかし、桜木町の駅からIMCまで徒歩で20分掛かることを忘れていた・・。駅から走ったが、道のりの半分くらいのところで疲れた。。だから、開き直って自分のペースで歩くことにした。

そんなこんなでIMCに到着。入り口では先週とは比べ物にならない程の数の警備員と警察官。。金属探知機でセキュリティーチェックを受ける。そこに20人近い警備員と警官がいるのだから、少し緊張・・。別に悪いことはしていないし、怪しいものは持っていないので、気にする必要はないけど、交番の前を通り過ぎるときのような緊張感を感じる。“ピー、ピー”なんて音がなったらどうしようという不安にも駆られる。

問題なくセキュリティーチェックを通過し、ボランティアの控え所で専用のユニフォームに着替える。このユニフォームがダサい・・。デザインといい、色彩といい、“誰が選んでいるんだ!”と思わずにはいられないほどの代物。多くのボランティアが思っているに違いない。それでも、このユニフォームは公式スポンサーであるアディダスが作っている。“アディダスの製品ってこんなにダサかったかなぁー”とは思ったけれど、仕方ないので着る。

先週の最初で最後の「実地研修」からちょうど一週間。“正式オープンの日なのだから人が沢山集まっているだろ”と期待した。その期待はあっさりと裏切られた。今日も誰もいない。

もちろん、先週に比べれば、外国人プレスを見かけるようになった。それでも、ボランティアの人間の方が多い。試合すら始まっていないのだから仕方ないかも。

試合が始まっていなければ、当然仕事もない。JAWOCの方も申し訳なさそうに、“日は仕事はないです・・。とりあえず、一時間くらい巡回してきてください”と言われた。“巡回”という名の“時間つぶし”である。数人のボランティアと一緒に施設内を歩いて回る。でも、先週の研修で歩き回ったから何も見るのもはない・・。

それでも、いくつか営業を行っているセクションがある。一つは郵便局。臨時の出張所である。そこに詰めている郵便局の人も暇そうだった。だから、みんなで話しかけてみる。“暇ですねぇー”。すると向こうも、“そうですねぇー”と言いながら、僕たちと話をしたそうな面持ちである。それほど“暇”なのだ。そこで数分会話をする。午前中に開局式を行ってからは、一切人が来ないということだ。“お互い暇ですねぇー”という言葉でその場を立ち去る。

次に営業をしていたのがその郵便局の隣にある「キオスク」である。キオスクという名につられて、何か食べ物でも売っているのかと思ったら、ただオフィシャル・グッズを売っているだけだった。僕たちと同じようにその名前を期待したと見られる外国人プレスが1人やってきた。施設が広いので、キック・ボードに乗ってやってきた。

その人は、店員のおねーちゃんにドイツ語で話しかけていたが、彼女は理解できなかったので、英語で話し掛け始めた。その人はタバコが欲しいと言った。でも、売っていない。“キオスクなのに?”という顔をしながら、僕たちの顔を見た。だから、僕は“施設内は禁煙だから、外に買いに行かないいけないと思う”と言うと、“そうか・・”と言いながら、キック・ボードに乗って立ち去った。。 やっと仕事ができた!少し無理矢理に話しかけたけど、一応ボランティアらしいことはしたのかも。。

一時間経って、時間は潰した。それでも、活動時間はまだ6時間残っている。他にやることはない・・。で、JAWOCの人が取って付けたように仕事をくれた。“メモ用紙作り”。コピー用紙の裏紙を使ってメモ用紙を作った。

それでも他に仕事はない。だから、韓国人のボランティアの方と話をしたり、韓国語を習ったりした。

僕が作業しているのは、JAWOCのオフィス内だ。「関係者以外立ち入り禁止区域」であるが、内部はほのぼのとしたカンジ。JAWOCの人間に、“文化祭の準備してるみたいですねぇー”と言ったら、“しょせん、球技大会ですから”という答え。そう、しょせん「球技大会」なのだ。サッカーするのは選手だから、組織委員会の人間にはあまり興味の無いことなのかもしれない。

今日は仕事がないので、9時半に終わる。次回の活動日は31日。開幕戦の日らしい。。試合が行われている時間帯に活動するので、今日よりは仕事らしい仕事ができるかも。。

 


5月17日(金曜日) 嵐の前の静けさ・・

今日は、初めての実地研修があった。大学が2時半に終わり、都心から電車で一時間掛けて、JR桜木町駅に到着。駅から目的の「みなとみらい21」までは、2.5Kmの長道・・。駅からランドマークタワーへ歩く歩道で行き、そこからショッピングモールを通り、さらにクイーンズ・タワーなるところを通り抜けて、やっとのことで「パシフィコ横浜」にたどり着いた。。入り口には民間の警備員と神奈川県警の機動隊の警官が警備している。自分のIDを示し、中に入る。一般人が入れない所に入れるだけで、何か優越感を感じてしまう。。

本当の目的地である施設内の「ブリーフィング・ルーム」に入る。そこは、業務が始まるとJAWOCなどの組織が公式会見を行う場所である。もう既に大型のスクリーンやステージは完成してある。あと数日後にはマスコミが大勢集まって、てんやわんや(ちょっと古い表現・・)になるのだろうか。。

実地研修はこれが最初で最後である。次回来るときは本番。

ブリーフィング・ルームで30分ばかり説明を受け、施設内を見学した。「研修」といっても、それだけだ。

あと数日で開催だというのに、施設内に誰もいない・・。ホントに誰もいない。すべての試合は、この施設から全世界に放送されるというのに、今日現在既にスタジオをオープンしているのは日本のテレビ局も含めて3社だそうだ。

放送センタ(IBC)には、日本の総務省が実験的に行う「3D立体スクリーン」があった。ここで関係者向けに試合を生中継で立体映像にして観戦するらしい。。ボランティアも邪魔にならなければ参加できるそうなので、時間があれば試してみようと思う。でも噂によると、とても気分が悪くなるらしい・・。ディズニーランドの「スターツアーズ」みたいらしい。それなら、フツーのテレビで観ていた方が良さそうとも思う。

テレビ以外の一般のプレスが利用する施設にも誰もいない。整然と並んだ数百のデスクに誰もいない・・。本当に誰もいない・・。世の中、“サッカー、サッカー”とアホみたいに騒いでいるけれど、現場はこんなものだ。。

これほどワールドカップの拠点に人がいない理由は、開幕戦が韓国で行われるからだそうだ。“あぁー、なるほどね”とその説明に納得し、帰宅する。



 

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